農林水産省において、日本の食文化の海外普及を目的に調理又は製菓の学校を卒業した外国人留学生が、

日本国内の飲食店等で働きながら技術を学べる制度(最長5年)を実施しています。

今までの日本料理海外普及人材育成事業が一部改正され、

活動ができる範囲も、日本料理から、製菓へも活動が広がり、

日本料理店以外の飲食店・製菓・製パンの小売店・ホテル・旅館などでも働きながら技術を学べるようになりましたので

今後、活用シーンも広がるように思えます。

一方で、申請難易度としては、農林水産省、入管と

申請する役所も多いので、難しいと感じるのではないでしょうか。

この記事は日本の食文化海外普及人材育成事業で

特定活動を取得するための重要ポイントを記載しています。

用語の整理


【取組実施機関】

・調理師養成施設
・製菓衛生師養成施設
・製菓分野(製パンを含む)の課程を置く大学等(短期大学、高等専門学校、専修学校)

【受入機関】

・一般飲食店(日本料理店を含む)
・製菓・製パン小売店
・ホテル・旅館等

※過去3年間に外国人の受入れ又は就労に係る不正行為を行ったことがないこと

【対象者】(留学生)

・取組実施機関において、調理師若しくは製菓衛生師たるに必要な知識及び技能を修得し、調理師免許若しくは製菓衛生師免許を取得した者、
調理師免許若しくは製菓衛生師免許の申請資格を得た者。
下記要件を全て満たして、取組実施機関の推薦を受けて特定調理等活動を行う者。

(1)取組実施機関において調理又は製菓(以下「調理等」という。)の業務に従事するために必要な知識及び技能を修得し、成績優秀かつ素行が善良であること。
(2)調理等の知識及び技能を高めようとする意思、及び帰国後、日本の食文化を世界へ発信する意思を有すること。
(3)特定調理等活動への従事を開始する時点で満 18 歳以上であること。
(4)調理師免許又は製菓衛生師免許の申請資格を有している者については、本事業に従事する時点において当該免許を取得していること。
(5)製菓衛生師養成施設を卒業した者及び製菓分野における大学等を修了した者については、卒業した後3年以内に製菓衛生師の免許を取得する意思があり、申請書にその旨を宣誓していること。

図にすると下記となります。

申請書類


必要書類

農林水産省向け書類


  • 日本の食文化海外普及人材育成事業申請の様式(様式有)
    必要に応じて下記を申請

    1⃣実習計画認定申請書
    2⃣実習計画
    3⃣取組実施機関による指導等を受け入れる旨の同意書
    4⃣実習計画変更申請書
    5⃣修得状況評価実施報告書
    など

必要書類

入管向け書類(特定活動)


  • 在留資格変更許可申請書 1通
  • 写真 1葉 規定を満たすもの
  • パスポートおよび在留カード
  • 納税証明書
  • 課税証明書
  • 日本の食文化海外普及人材育成事業実施要領の様式第2号または第4号、第6号など状況に応じて提出
  • 実習状況を説明する資料

申請の流れ


①受入機関からの内定
雇用条件通知書や雇用契約書を取り交わす
②受入機関と取組実施機関が共同で実習計画を作成
実習計画が完成したら農林水産省へ申請し、認定通知書等が交付される

【実習計画作成の注意点】
・外国人調理師等の調理等の技能を必要としない業務又は同一の作業の反復のみの業務でないこと
・調理等の知識及び技能を修得するための期間を5年以内としている
・製菓衛生師免許を取得していない外国人調理師等については、調理等の知識及び技能を修得するための期間を3年以内としている
・調理師等の受入れ人数を一事業所当たり3人以内としている
・日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬であること
・保証金等を徴収されないこと及び労働契約の不履行に係る違約金を定める契約等が締結されていないこと。
・決められた監査体制を継続的に実施できる能力及び体制を確保していること。
③入管へ特定活動ビザの申請
在留資格変更許可申請を行う。

この特定活動は告示外となりますので、申請人の状況に応じて必要書類はケースバイケースとなります。

また、農林水産省へ申請後には取組実施機関は半年に1回以上は受入機関の監査や指導をする必要が発生します。

そして、受入機関は取組実施機関へ受入報告の必要も発生し、

受入機関と取組実施機関は農林水産省や厚生労働省へ受入報告をする必要があります。

他にも、取組実施機関は外国人調理師に対して、

半年や1年に1回以上は面接や評価をする必要があります。

特定技能よりは、申請などは多少簡略化はされている印象ですが、

外国人調理師が働き始めた後はフォローが継続的に発生することなどは

特定技能に似ているオペレーションに感じます。

複雑な申請ですので、

是非専門家にご相談ください。

特定活動ビザのご相談やご質問は


下記問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

この記事を書いた人



行政書士長瀬事務所

代表行政書士

長瀨 功・NAGASE ISAO

千葉県出身、豊富なビジネス経験と10年以上の経営者経験を基に親身で丁寧な対応を心がけています。
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特定行政書士・申請取次行政書士・宅地建物取引士